建設業界の中でも、「実はかなり稼げる」と話題になっている職種があります。それが、建物の床を専門に仕上げる“土間屋”です。名前の認知度は高くありませんが、物流倉庫やビル、店舗、駐車場など、私たちの暮らしの下支えとなる現場には必ずと言っていいほど必要とされる存在です。
しかもこの土間屋、経験を積めば30代で年収600万円以上も現実的という声も。職人の世界=年功序列というイメージを覆し、「技術を身につけた人が正当に評価される世界」として注目されています。ただし、すべての現場で高収入が叶うわけではありません。雇用形態、担当現場、会社の方針によっても年収の差は大きく開きます。
この先では、未経験からスタートした場合の収入例から、熟練職人の年収レンジ、年齢やスキル別の目安まで、リアルな数字を交えて土間屋の年収事情を紐解いていきます。
経験別でこんなに違う?土間屋の年収レンジを比較
土間屋として働く人の年収は、経験年数と現場での役割によって大きく変わってきます。たとえば、未経験で入社したばかりの人は、日給で1万円〜1万3000円前後。月に22〜25日働いたとして、年収ベースでは250万円〜300万円程度がスタートラインです。
しかし、ここからの伸びが早いのが土間屋の特徴。2〜3年ほどで主要な仕上げ工程を任されるようになれば、日給は1万5000円〜1万8000円前後にアップし、年収も350〜450万円ほどに到達します。さらに5年を超え、現場の段取りや職人の指導なども任されるようになると、日給2万円以上も視野に入り、年収は500〜600万円台に乗ってくることもあります。
加えて、職長や現場責任者として活躍する人や、独立して一人親方として仕事を請ける人の中には、700万円〜800万円以上の収入を得ているケースも。これはあくまで一例ですが、現場に通いながら少しずつ信頼と技術を積み重ねた結果として得られる数字です。
もちろん、習得の早さや仕事への姿勢によって昇給のスピードには個人差がありますが、「自分の頑張りが収入に直結する」という点では非常にやりがいのある職種と言えるでしょう。
技術力と収入は直結する?評価される人の共通点
土間屋の年収は、年齢や在籍年数だけで決まるものではありません。むしろ、「いかに丁寧に、速く、安定した仕上がりを提供できるか」が最も重要な評価基準になります。たとえば、同じ5年目の職人でも、現場ごとの段取りやチーム全体の動きを把握して的確に動ける人と、指示がなければ手が止まってしまう人とでは、明らかに収入に差がつきます。
評価される人にはいくつかの共通点があります。まず一つは、「道具の扱いが丁寧なこと」。これだけで作業の精度やスピードが大きく変わります。次に、「時間の意識があること」。限られた工程内でいかに無駄なく動けるかが重要です。そして最後に、「指示待ちではなく、自分で考えて動けること」。こうした姿勢は、上司や元請けからの信頼につながり、結果的に収入にも反映されていきます。
また、公共工事や大型現場では、施工精度と同時に“信頼”が強く求められます。クレームややり直しのリスクが少ない職人ほど指名されやすく、単価も上がる傾向にあります。つまり、現場での評価がそのまま報酬に直結する仕組みが、土間屋という職種には根づいているのです。
正社員の働き方とは?
土間屋としての年収は、経験や技術だけでなく、「どんな働き方を選ぶか」によっても大きく変わります。今回は正社員としての働き方をご紹介します。
正社員は、会社に所属しながら現場で働くスタイル。給与は日給制または月給制が多く、社会保険や労災、賞与などの福利厚生がつくのが特徴です。安定性が高く、未経験から始めるなら最も安心できる道ですが、収入は上限がある程度決まっており、大きく跳ねることは少ない傾向にあります。
どの働き方にも一長一短があるため、「安定をとるか、高収入を狙うか」「今の自分に合うのはどの形か」をよく考えて選ぶことが、納得できるキャリアにつながります。
同じ現場でも差が出る?年収を左右する“仕事の選び方”
土間屋として働く上で、どれだけ収入を伸ばせるかは「どんな現場で働くか」にも大きく左右されます。たとえば、公共工事や大型の物流倉庫、ショッピングモールなどの現場は、施工面積が広く、工期も長めで単価が高くなる傾向があります。こうした現場は、技術力と施工精度を重視されるため、一定の実力があれば高い報酬が期待できます。
さらに、会社ごとの方針や得意分野も見逃せません。民間工事中心の会社、官公庁案件に強い会社等それぞれに特色があります。安定志向の人は定期的に案件が発生する元請け企業との関係が強い会社を選ぶとよいですし、スピード感を重視する人は短期現場を多く持つ会社が合っているかもしれません。
また、収入だけでなく「学べる環境か」「自分のペースで働けるか」「評価が可視化されているか」といった視点も重要です。収入を上げたい一心で、無理を続けて身体を壊してしまえば元も子もありません。自分に合った現場と会社を選ぶことで、長く、安定的に稼げる道が見えてきます。
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土間屋という仕事が“生き方”になるまで
土間屋という職業は、単にコンクリートを仕上げるだけの仕事ではありません。現場ごとに異なる条件の中で、精度とスピードを両立させ、確実に信頼を積み重ねていく。その過程で得られる経験値や人間関係は、年収という数字以上の価値をもたらします。
収入の安定や技術の習得、やりがいの実感。それらが揃ったとき、この仕事は「生活のため」から「生き方そのもの」へと変わっていくのかもしれません。どんな働き方が合っているのか、どこまでの収入を目指したいのか——その問いに向き合うことが、長く続けられる仕事選びの第一歩です。
→ お問い合わせはこちら:https://www.f-create-inc.jp/contact