「手に職をつけたい」「正社員として安定して働きたい」「どうせなら稼げる仕事がいい」——そんな思いを持つ若い世代のあいだで、土間屋という職業が静かに注目を集めています。これまで「きつい・汚い・危険」と敬遠されがちだった建設現場の仕事。しかし実際には、経験ゼロからでも始められて、数年で月収が大きく伸びる可能性のある土間屋は、今や“現場系の狙い目職種”として選ばれつつあります。
中でも、機械と手作業が多い土間屋は、丁寧さやコツコツとした作業が評価されるため、未経験者でも伸びやすい環境です。「学歴に自信がない」「パソコン仕事より体を動かしたい」といった理由で転職を考える人にとっても、一つの現実的な選択肢になっています。
ただし、メリットだけに目を向けるのではなく、仕事内容や収入の現実、成長ステップなどもきちんと知ったうえで選ぶことが大切です。ここから先は、そんな“土間屋のリアル”を、未経験から始めたい人の目線で深掘りしていきます。
土間屋ってどんな仕事?──「床のプロ」が担う現場の基礎
土間屋とは、建物や構造物の「床」をコンクリートで仕上げる専門職です。物流倉庫やビル、マンション、商業施設などの土間(=地面に近い床部分)にコンクリートを流し込み、表面を水平かつ滑らかに整えるのが主な仕事です。見た目の美しさだけでなく、荷重や摩耗に耐えうる強度と精度が求められるため、仕上げの良し悪しが建物全体の品質に直結します。
具体的には、「生コン」と呼ばれる流動性のあるコンクリートをポンプ車で打設し、レーキで広げ、トンボ(仕上げ用の器具)や機械を使って平滑に仕上げていきます。作業はチームで行われ、最初は道具の準備や清掃などのサポートからスタート。徐々に道具の使い方を覚え、先輩の補助をしながら「ならし」や「押さえ」といった工程に携わっていきます。
建設業と聞くと重機の操作や大がかりな作業をイメージする人も多いかもしれませんが、土間屋の仕事は比較的“繊細な手作業”が中心です。施工範囲の広い現場でも、仕上げ精度の高い作業が求められるため、器用さや丁寧さが強みになります。
また、図面に忠実でありながらも、微妙な傾斜や段差を感覚で見極める「職人の目」も磨かれていきます。体力が必要な場面は確かにありますが、過度な筋力や特別な資格がなくても始められるため、未経験者にとっては入りやすいジャンルだと言えるでしょう。
未経験からどう始める?──道具も知識もゼロからのスタートで大丈夫
土間屋の仕事は、特別な資格や経験がなくても始められるのが大きな特長です。実際、多くの現場では未経験からスタートした職人が、数年かけて技術を身につけ、今では現場を任される立場になっています。最初に必要なのは、知識でも技術でもなく、「働く意欲」と「真面目さ」だけです。
まずは、現場に出て先輩のサポートをするところから始まります。たとえば、掃除などが初日の主な仕事。慣れてくると、コンクリートを均す補助作業や仕上げの段取りにも少しずつ関わるようになっていきます。現場によっては、1週間ごとに作業内容がステップアップするケースもあり、「昨日できなかったことが、今日はできた」と実感できる環境です。
また、工具や作業着は会社から貸与されるケースが多く、最初に自費で揃える必要がないことも安心材料のひとつです。専門用語や作業手順は、現場で自然と身につけていくもの。先輩がつきっきりで教えてくれる職場も多く、「いきなり難しい作業を任されて失敗する」といった心配はほとんどありません。
中には、まったく別の職種から転職してきた人も多く、元・営業職や飲食業、フリーターなど、バックグラウンドは実にさまざまです。それでも、続けていくうちにコテの使い方が身につき、徐々に「現場で頼られる存在」へと成長していきます。
最初は不安でも、一つひとつの作業に対して丁寧に向き合える人であれば、未経験でも土間屋として十分にやっていける環境が整っています。
実際、どれくらい稼げる?──初任給から成長後の収入まで
「未経験でも稼げる」と耳にしても、具体的にどれくらいの収入が見込めるのかは気になるところです。土間屋の収入は、日給制が基本となるケースが多く、未経験でスタートした場合の相場は日給1万円〜1万3000円前後。月に20〜25日働けば、月収20万円〜30万円程度が初任給の目安になります。
ただし、土間屋の魅力は「年齢や学歴よりも技術力が評価される」点にあります。現場での経験を積み、ならし・押さえ・金ゴテ仕上げといった工程を一通りこなせるようになると、日給は1万5000円〜2万円台に到達することも珍しくありません。数年後には年収400〜500万円台に手が届く人も多く、さらに職長として現場をまとめる立場になると、年収600万円以上を目指すことも可能です。
収入の伸び方に影響するのは、単純な勤続年数だけではありません。正確な施工ができること、現場での信頼が厚いことなど、目に見えない部分も大きく評価される要素です。反対に、技術習得に時間がかかる人や、体力的な理由で現場に入る頻度が低い人は、昇給のペースが緩やかになる傾向があります。
つまり、土間屋は「自分次第で収入を伸ばせる仕事」だと言えます。やる気と継続力、そして素直に学ぶ姿勢があれば、未経験からでもしっかり生活基盤を築ける道が開けているのです。
「きつい」「危ない」って本当?──働く前に知っておきたい現場のリアル
土間屋と聞いてまず思い浮かぶのは、「体力的にきつそう」「危険な作業が多いのでは?」といったイメージかもしれません。確かに、真夏の屋外作業や、身体を使うシーンは多くあります。しかし、それだけで「過酷」と決めつけてしまうのは少しもったいないかもしれません。
まず安全面については、現場の体制が年々大きく改善されてきています。ヘルメットや安全靴、滑り止め手袋などの保護具はもちろん、作業中の熱中症対策や労働時間の見直しも進んでおり、「命を削るような働き方」はすでに過去のものになりつつあります。施工内容も分担制が一般的になっており、未経験者がいきなり無理な工程を任されることはまずありません。
また、重労働ばかりという印象を持つかもしれませんが、実際には“体力よりも丁寧さ”が評価される作業が多く、細かい気配りや集中力が武器になる仕事でもあります。特に若手の場合、「体力がある=活躍できる」と思われがちですが、むしろ長く働く上では、無理をせずに技術を磨き続ける姿勢のほうが大切です。
そして忘れてはいけないのが、“現場の雰囲気”です。昔ながらの厳しい上下関係や怒号が飛び交う職場もゼロではありませんが、今はコミュニケーションを大切にし、チームワークで仕事を進める会社が増えています。未経験者を大切に育ててくれる環境かどうかを見極めることが、職場選びの鍵となるでしょう。
これから土間屋を目指すなら、「自分に合った現場に出会えるかどうか」が最も重要なポイントです。興味が湧いた方は、まずは募集要項や職場の雰囲気をしっかり確認してみてください。
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「やってみたい」その気持ちが、一歩目になる
未経験から土間屋を目指す人の多くは、「最初は不安だった」と口を揃えます。どんな仕事も、最初の一歩が一番重たいものです。でも、現場に立ってみれば、意外なほど周りが支えてくれる環境があることに気づきます。先輩たちはみな、同じようにゼロからのスタートを経験してきた人たち。だからこそ、教える手つきも、声のかけ方も、丁寧で親切なのです。
もちろん、すべてが楽な仕事ではありません。だけど、「コンクリートがきれいに仕上がった瞬間の達成感」や「人に頼られるやりがい」は、他ではなかなか味わえないものです。地道な努力がかたちになり、評価される。それを繰り返すうちに、気づけば自信に変わっていくはずです。
土間屋という仕事に少しでも惹かれるものがあったなら、その気持ちを大切にしてほしいと思います。特別な経験やスキルがなくても、「やってみたい」という想いが、何よりの原動力になります。
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